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Alpes Maritimes その2
 前回の登山から2日後、別の山を登りました。 名前はエスタンという集落の近くのロッシュ・グランド(2752m)。 この山を登った時は斜面がカチカチに凍っていて、より慎重さを要求されました。 スキーにシール(滑り止め)を付けてはいるものの、たまに限界を超えてしまい、スキーがズルっと滑って転んでしまいます。 もちろん、滑落でもしようものなら下までノンストップです、場所によっては命の保障もできなくなってきます。 でも滑落の危険よりも、滑り落ちたらせっかく登ったのにまた登るのは面倒だから転びたくない、という考えの方が強かったです、おまけに無駄な体力の消耗はしたくありません、おのずと慎重になり、また体が転ばないようにする方法を覚えていきます。
 冬山登山の原則は、雪崩の危険も少なく比較的天候も安定している朝から昼までの間に下りも含めて全て終わらせなければなりません。 この日は登り始めたのが遅かったため、山頂までは行かず適当な所で切り上げましたが、左の写真のように急な斜面…というか、絶壁に近いところを移動する練習などもしました。 このような場面になると登山の専用の道具がなければ、もうお手上げです。 フランスはこの広大なアルプスを舞台に何百年にもわたり、山登りに適した道具を開発し、技術を磨いてきたわけです。 で、その末端にワタシのような素人がいて、山登りをしているわけです。

 でも正直言って私の場合、左の写真のように「下り」を楽しみたいから山登ってます。 もっと正直に言うと、「登り」は嫌でイヤで仕方ありません。 ただ、「下る」ためには登らなければならないし、山の頂上に着いたら着いたで、素敵な景色ややり遂げた充実感てやつが待っていて、今までの苦労も吹き飛んでしまうのも事実ですね。


 次の日は「モン・プラ」という山(3050m)に登りました。 右の写真にもあるようにこの一帯は"Parc national du mercantour"という大きな国立公園で、自然保護のための規制があれこれとあるところですが、山登りは可能です。 山頂まで約5時間の登りでしたが、雪のないところも多く、スキーではなく“徒歩”で歩く場面も多かったです。 モン・プラは標高そのものは高くありませんが、地中海から約1時間で来れるこの「海岸アルプス」の辺りでは高い部類です。 そのため周囲の山々を見下ろし、素敵な景色を楽しむことが出来ました。(サスガに地中海は見えませんでした、残念!) その一部が左の写真です、真ん中にくぼんでいる所がありますが、アロス湖という湖です。 この湖の右横を通り抜けて登ってきましたが、この湖あたりで約半分、全行程で15〜20kmの距離でした。


 更に2日後、山ツアーはまだ続きます。 今度はバルセロネットの街からクルマで小1時間、ラルシュという小さな町をベースに山登りです。 この先に集落はなく、後はイタリアとの国境があるだけです。 この町の南西側に"Cotes d'Abries"(直訳するとアブリエの丘陵)という山脈があり、尾根と谷が南東から北西方向にいくつか連なっています。 そのため北斜面が多く、雪のコンディションもまずまずです。 初日はベク・ド・レギュイーユ(2815m)という山(上の写真)を、次の日はテット・ド・フェー(2883m)という山に登りました。 左の写真はテット・ド・フェーの頂上ですが、なぜ、こんなポーズを取っているかというと、山頂付近はものすごい強風と吹雪だったので、ワザとやってます(笑。 でも、写真見る限りでは天気良さそうですね…。 これはものすごい強風だったため雲が一瞬で流されていくためなのと、天気の悪い層が山頂付近のごく一部だったからです、そのため上空は青空、そしてちょっと下ったら、もう快適、さっきまで顔にバチバチ雪、というか氷みたいのが当たって痛かったのがウソのよう。 下のように写真まで取ってます。 自然というものはときに美しく、ときに厳しくと状況次第でいろいろな表情を見せますね。
アレックス君にはいつもお世話になってます
最近は日本人の扱いにも慣れた、と
仲間に自慢してます
で、お世話してもらっているワタシ
「下り」に関しては負けてませんよ
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